|
|
照月湖CEI2☆80km&JEF80km参加者レポート |
|
|
照月湖CEI2☆80kmエンデュランス馬術大会参加レポート 2008年9月12日(金)〜13日(土) 馬:ギィタップ(Dameon Pj) ライダー:佐々木 保
9月12日(金) USAのFEI公認獣医、審判の前で獣医検査を行ない、無事、初日通過。 今回の大会は一般参加の80km競技と一緒のスタートの為、80km競技の経験が少ない井下さん(ティック)と村井さん(アイマ)、またCEI参加では、今シーズン完走はしているがあまり内容の良くないポニーボーイ(遠藤さん)、久々の大会参加のバンディット(佐々木彩妃さん)、この4頭を率いる形で走る計画を立てた。 9月13日(土)スタート前、ギィタップは予想以上に落着きリラックスしていたが、スタート時刻になり皆一斉に動き出すと、昨年の160kmのスタートと同様に興奮してしまった。アイマがぶつかりそうなくらい真後ろにいたがギィタップはあまり気にしていないようだった。5分ほどで折り合いが付きリズムも安定してきたが、トップ集団は見えなくなり、私達は勝太郎(谷さん)を含む2番手集団となった。時々後ろを気にして走行していたら、いきなりコースアウトして、後方の遠藤さんに引き止められ・・・ポニーボーイとバンディットに先を譲り、後ろからバンディットの走行を間近に見ることができた。バンディットは興奮が治まらず動きがバラバラだった。場内の川で休息し、馬達はよく水を飲んでいた。ここからバンディットを先頭に行かせたら、動きも安定し、落着いてきた様子だった。山の登りで先頭のバンディットに疲れが見えてきたので、ギィタップが先頭に出て皆を引っ張った。山の給水ポイントでやはり馬達は良く水を飲んでいた。息も上がり汗を大量にかいていたので、下馬して皆の馬達の首から肩にかけてバケツで水を掛けて周った(井下さんの身体にも水を掛けてしまったが・・・)。山の下りでバンディットは前に馬がいるとリズムが崩れるので先頭に出した。自分の考えでは1レグ30kmを2時間半以内でインタイムにしたかったが、時計を見るとギリギリに感じた為、最終の給水ポイントはスルーした。 結局、1レグ30kmは私達の第2集団は2時間20分ほどでインタイムすることができた。 2レグ30kmは1レグより山が少ないということだったが、同じようなペースで走行するようにした。途中、場内走行中、先頭を行くバンディット騎乗の佐々木彩妃さんが突然「痛っ〜!」と叫んだ。右足の腿を蜂に刺されたらしいが、走行を続けていた。大学村に入るまで先頭を走行していたが、痛さと疲れの為かペースを落とし第2集団からは離れ、先頭集団から遅れ同じように蜂に刺された北池さん(レミントンスティールU)と走行を共にしていた。第2集団はギィタップ、アイマ、ティック、ポニーボーイの4頭となった。南木山の別荘地の登りでは10時過ぎで温度が上がったせいか馬達にやや疲れが見え始めた。がトップを行くカリーム(廣瀬さん)とマキナ(西山さん)が見えた。途中の給水ポイントで追いつくが、トップの2頭は水を飲み終わったらすぐに走行を始めて行ってしまった。私達第2集団は下馬し馬達に水を掛け足回りのチェックをした(井下さんは私に水を掛けられないように自ら下馬していた)。 2レグ30kmは2時間5分ほどでインタイムすることができた。走行ペースは1レグと同じ感じだったが、山が少ない分、15分ほど1レグより早く走行した結果となった。 3レグ20kmは場内と大学村の比較的フラットなコースだが、大学村内は歩度規制があるため場内では走れるところは走ろうと考えた。また、アラビアンホースランチの馬達は今後120km〜160kmの大会に参加していく予定なので、ここで抑えずトレーニングを兼ね、3レグは強めに走行することにした。8月の大会でアイマはこの時点で一気にペースダウンして、照月湖の厩舎辺りからは動かなくなってしまったが、今回はしっかりギィタップについてきていた。トップの2頭に場内で追いつき川の給水ポイントに着いたが、カリーム、マキナは休まずに行ってしまい、また第2集団となる。馬達は水を良くのみ草を食べていた。下馬し足回りをチェックし、カメラクルーに愛想を振りまきながら給水ポイントを後にした。大学村で人馬共に疲れが見えるトップの2頭に追いついた。馬達は疲れてくると舗装のような固い路面では振動が骨に響くのか思うように歩度が伸びなかった。トップを行くマキナの横にギィタップが並ぶと、マキナは耳を絞りギィタップを威嚇し、歩度を伸ばして先頭を譲らないでいた。ギィタップと私は時々マキナを挑発しやる気を出させようとしたが、あまり続かなかった。マキナとギィタップが独走態勢になったと思ったら、後方集団からティック(井下さん)が抜け出してきた!これはマキナとティックが兄妹だから・・・?! この3頭、マキナ、ティック、ギィタップがほぼ同時にゴールをきった。 井下さん(ティック)と村井さん(アイマ)は一般競技で1,2位、ポニーボーイ(遠藤さん)はCEIでベスコン、バンディット(佐々木彩妃)も無事完走、と最初に掲げた目標が達成でき嬉しく思います。 今回の大会で感じたこと。 ・ アラビアンホースランチの馬の能力の高さ。 ・ 1レグのペース配分の大事さ。 ・ 同じペースで走っていてもコース状況によって走行時間に大きな差が出ること。 ・ 疲れてきたときの固い路面での馬の状況変化。 ・ 走行を楽しむ余裕を持つこと(余裕がないと人馬共にストレスになる)。
蓮見さんを初めとするランチ関係者、アメリカからの役員の皆様、日本の役員の皆様、運営スタッフの皆様、多くの方々に支えられて、大会に参加でき、完走することができました。 ありがとうございました。
アラビアンホースランチ:佐々木
CEI ☆☆80km競技 馬:マキナ ライダー:西山千香子
9月12日(金) レース前日のベトチェック。獣医師団長のデーン・フレイジアー氏より「素晴らしい状態」との言葉をいただいてホッとする。検量も終え、まずは第一関門を突破。
9月13日(土) これまでの大会より1時間遅い朝6時のスタート。マキナでの大会出場は今回が初めて。またスタリオンが2頭出場していることもあり、どのような展開になるのかどきどきしながらスタート時刻を待ちました。 スタートと同時に、ジュニア、ヤノス、カリームが飛び出しました。マキナも前の3頭について行きたそうでしたが、スタリオンの真後ろにつけるのが不安だったので、間に2頭入ってもらい第2グループとして走ることにしました。
10s近い重量負担もものともせず、マキナは非常に力強くリズムの良い動きで、むしろ抑えるのが大変なほど。順調にランチまで辿り着き、さあ照月湖に出て行こう…という辺りで、前の馬が行きたがらなくなりました。そこで、マキナを前に出そうと2頭を追い抜きかけたところで1頭が尻跳ね。そのときマキナの肩に軽く接触していたようでした。
その後もしばらく3頭で走行。マキナはとても快調で、1頭でもスムーズにいけそうだったので、川の付近で2頭とわかれ、1頭で第1グループを追って行きました。追いついたのはQを過ぎたあたり。その頃にはスタリオンと近づいてもお互いに興奮することもなく落ち着いていました。
途中でジュニアがペースを下げたので、カリーム、ヤノスと3頭で走行。全頭下りは特に慎重にゆっくり下ろし、フラットはリズムのいい速足で走行しました。気温の割には湿度が高く、後半からマキナの発汗が多くなったのが気になりつつ1レグが終わりました。
ベトチェックで肩の傷を指摘され、歩様のリチェックを受けることになりました。獣医師と蓮見ご夫妻からアドバイスをいただき、傷の手当と患部周辺の冷却をして再検査をうけたところ、問題なし、とのこと。胸をなでおろして2レグのスタートを切りました。
2レグはカリームと2頭での走行となりました。問題なしと言われたものの、やはり肩の傷が気になったので、負担をかけないようやや抑え気味のスピードで進みました。途中、先頭を入れ替わりながら2レグを走り終え、ベトチェックへ。腸音、脱水が良くなかったので、強制休止時間の間は、とにかく草を食べさせ、水を飲ませるようにしました。
3レグの前半は一人旅でした。さすがに3レグになると疲れも出てきたのか、それまでの勢いが薄れてきました。声をかけて励ましながら進んでいったのですが、場内の途中で、追いかけてくる第2集団(ギィタップ・ティックなど)の姿が見えた途端にストップ。「後ろを待とうよ〜」と言わんばかりに動かなくなってしまいました。
そこからはギィタップを先頭に、ゴールを目指しました。途中何度かマキナがギィタップを追い抜きたがり、右へ出して抜かせると、すれ違いざまに「まだ負けないわよ」と鋭い視線をギィタップに投げ、マキナが“女の意地”を見せていたのが印象的でした。
最終的に、ギィタップ、マキナ、ティックの3頭が第1グループとなってゴールイン。ベトチェックも無事に終え、2位が確定しました。気になっていた肩も問題なく、無事にレースを終えることができました。 残念ながらBCには絡むことができませんでしたが、レース前に連日蓮見さんが適度な運動をしてくださっていたおかげで、やや気難しいところのあるマキナが前進気勢を維持してスムーズに走行してくれ、嬉しい結果となりました。
大会運営の皆様のおかげで、この度のレースでも多くのことを学ばせていただき、よい経験をさせていただきました。今後のマキナの活躍に期待しつつ、お礼申し上げます。 本当にありがとうございました。
西山千香子
炎の女(アイマ)の深情け 馬:アイマ ライダー:村井 幸子
日本初の160q大会を観戦し、いつかはこんな素晴らしいところで走ってみたいものだと思ったのは、昨年の6月。あれからわずか1年ほどで、今回のCEI大会に参加できたラッキーさにしみじみと感激しています。 快く受け入れていただき、さまざまなアドバイスをいただいた蓮見ご夫妻、またご指導をいただいているFRCの田中さんに心よりお礼申し上げます。 騎乗馬アイマ(燃えるような炎の女)は、名の通りのなかなかの牝馬で、2回ほどの事前練習ではほとんど“完敗”状態だったが、いつものように本番に対しそれほどの不安はなかった。しかも今回は、あの佐々木さんの“ゆっくり目でみんなで走るのでついてらっしゃい”とのお言葉に大いに安心。前夜祭ではビールもひときわ美味だった。 ただ初めて尽くしの馬装品や、馬房の関係で離れたランチからスタート地点に直行するやり方にとまどいはあったものの、同じJEF公認で出場する井下さんと同道できたのは嬉しかった。 いつもスタートは何となく緊張するが、落ち着いている井下.テック組の後ろあたりと考えていたら、テック突然のオシッコ(大物!)。というわけで、偶然ついたのは佐々木.ギイタップ組のあと。“まずいか?”“まあ佐々木さんだからどうにでも処理してくれるか?”“まず出よう!”とばたばたスタート(くっつきすぎてごめんなさい)。 アイマはスタートでテンパらないタイプで本当に助かりました。しかし後ろのテックが少々寄るぐらいで蹴りを入れるなど本性を現し始める。自分は前にくっつきたがるのに困ったものだが、この負けず嫌いの性格があとあと第3レグ の坂道などで後ろのポニーボーイを前に出させたくない一心でがんばってくれた。8月のように動かなくなる不安はあったが、軽快なポニー.遠藤さんの迷惑になると悪いので先に行ってもらう。 アイマは1呼吸いれては自分ペースでがんばって前について行く。アイマのプライドを尊重し、決して追わず“ホメホメ作戦”に徹した。心拍に課題があるアイマだけは、ゴール前の早めで常歩にするよう指示されたが、自分だけとり残されるのを心配して返ってストレスになっているようなので、みんなについて行く。結果オーライでよかった!! 佐々木名ガイドつきのライドの何と贅沢なことか!何度も実地講習つきだった(追加請求はないですよね?)。ユーモアあふれる観光ガイドにもつられて、少々ひきつりながらもTVカメラに笑顔をふりまく。細やかな心配りに頭が下がります。 賢く、乗り心地のよいアイマ。伸張速歩の見事さ。整備されたコース、恵まれた天候、そして何よりコース内に湖と川のある幸せを味わったライドでした。1つ1つのライドには人、馬それぞれの物語がつまっていますね。 特別の思いがこもる還暦の今年、、、、、5月八ヶ岳の80q23秒タイムオーバー失権物語、7月豪QLD州チャンピオンシップ160q走破.跛行失権物語に続く今回のライド。 これまでになく老親介護等による最悪のコンデションでの騎乗は、アイマに本当に申しわけなかったと反省しています。ベトチェックではライダーの完全跛行で恥ずかしかった。アイマの強さのおかげで6時間を切り、JEF第2位に。5回目の80q完走をプレゼントしてくれてありがとう、アイマ!貴女の深情けに浸ったライドでした。 でもさすが“熟女”のあなた、、、1レグ休憩中に、2レグスタート直前のスタリオン.ヤノスを誘惑。三橋さんを棄権に追い込みましたね。見ましたよ。 大会翌日、いつも逃げ回る放牧場なのにすぐに寄ってきてゆっくり引き運動が出来たうえ、疲れた馬たちが馬房でお尻を向けている中で、馬具掃除をしていたこちらを興味深そうにじっと見ていたのは、何とも嬉しい出来事でした。 応援していただいた橘さんはじめFRCメンバーのみなさま、大会成功のために尽くされた方々、ありがとうございました。 照月湖大会のますますの盛会をお祈り申し上げます。
大会参加レポート 馬:ヤノス ライダー:三橋文夫
●スタート前 スタリオンであるヤノスは、スタート直前に他馬のいるスタート地点に入る。非常に落ち着いている、もう少し気が入ってもいいくらいだが、過ぎれば手に負えなくなる、難しいところだ。体調も問題はなさそうだが、いつもより動きは重い、体が温まればよくなるだろう。 心配だった天候はまずまずのコンディション、雨の気配はない。気温がもう少し低くければベスト、季節を考えれば贅沢はいえない。 ●1レグ 他馬と集団になってのトラブルを避けるため、スタリオンのジュニア、前進気勢の非常に強いカリームと速めのペースで先行する。カリームが先頭、ジュニアがそれを追う。ジュニアはヤノスが近づくと過剰に反応する、10馬身程度の距離を置いてジュニアを追走する。ヤノスは落ち着いている。一定の距離を保ったままスムーズに走る。湖下のコースを抜けるころマキナが追いついてきた。 1レグの難所、熊ノ内林道の登りに入りペースを落とす。ここまで同走してきた馬たちがそれぞれのペースに切り替えた。路面は整備されているが、完全ではない。表面上は平坦に見えても蹄が埋まるような軟弱なところがある。一見状態がよさそうに見えるだけに危険だ。下りに入ってから、急勾配の箇所は引き馬で通過する。マキナが追い抜いていく。路面状態がよくなったところで再騎乗、舗装路に変わりペースを落とす。クールダウンしながら先行をしていたカリーム、マキナに追いつき、1レグゴール。 ●2レグ 湯沢コースを抜け湖下コースに入るとヤノスの動きが重くなる、心拍が上がっているわけでもない、単独走行のせいか? 前回レースに比べて特別に速いペースで走っているわけではないが、無理せずにペースを落とす。後続の馬が追いついてくる、先を譲り追走する。 湖下コースを抜け、アラビアンホースランチが見えた。アティナが柵沿いに立っている、前を抜けようとしたときヤノスが止まった。頑として動かない、引いて進む、ジュニアがやってきた、それでもヤノスは動かない。ギタップ、ティック、ポニーボーイ、バンデッドが一団となって追い抜いていく、やはりヤノスは動かない。 引馬で大学村コースに入り、再騎乗。コースの分岐のたびに引馬、騎乗を繰り返す。どうやら、馬房のあるランチから遠ざかる方向をとるとストップするようだ。ヤノスがコースを知っているわけではないが、ランチ周辺の道はよく知っている。ランチから遠ざかることを拒否しているのだ。引馬と騎乗を繰り返しながら、南木山のコースに入る。状況は変わらない、時間ばかりが経過していく。なんとか2レグのゴールまで持ってくるが、先が思いやられる。 ●3レグ 余裕はないが、いつものヤノスなら充分に回れる残り時間でスタート。湯沢コースは問題なく通過したが、湖下コースで完全にストップ。ライダーズオプションで棄権を選択する結果で終わった。 棄権後の獣医検査では、まったく異常なし。ヤノスに問題がなかったのは幸いだったが、自分の未熟を痛感させられる結果だった。
●レースを振り返って 今回のレースは反省ばかりが残るレースでした。 レース前から分かっていることですが、自分自身のウェイト過大と技術の至らなさを痛感しました。ヤノスに他馬以上の負担を強いることになったし、ヤノスを行きたがらぬ状況に追い込んだこと、行きたがらぬヤノスを御せなかったのは、未熟ゆえです。 戦術的にも、給水したいところで他馬との関係でうまくできなかったり、中途半端な単独走行となってしまったりと反省点が数多くあります。スタリオンという意識が強くありすぎて、レース中はグループで走行するということを一切考えませんでした。気の入った1レグはともかく、行き足の落ちた2レグはグループ走行すべきだったと思います。2レグ時のヤノスの状態から見てトラブルが起きる可能性はほとんどありませんでした。 反省点ということではありませんが、レース前のトレーニングついても考えさせられました。デリケートなスタリオンの夏場の体調管理という問題もあるので難しいと思うのですが、前回と今回のレースの間、ヤノスは負荷の強いトレーニングはほとんどしていません。体力を消耗させずに負荷をかけてやるようなトレーニングを工夫してやれなかったのかとも思います。
ポニーボーイにベスコン 馬:ポニーボーイ ライダー:遠藤乃理子
ポニーボーイでの今シーズン3回目の80キロ。 前回(7月)は獣医から後肢の歩様にチェックが入り、結果はギリギリの完走。しかし、レース後、明らかに後肢の状態は悪く、おまけに帯擦れまで作ってしまい、ポニーに申しわけなく辛い完走となってしまった。 その後ゆっくり休養させ少しずつ調整に入ったが、出だしの歩様のイレギュラーは続いていた。今回スタートまでに治るのかと不安な思い。でもレース当日までの数日、蓮見さんが毎日トレーニングをして下さっていたと聞き、気にしてばかりいないでポニーを信じて何とかうまく走らせようと思いなおした。 前日の獣医検査。1回目の歩様検査で首をかしげられ、他の獣医を呼んで再検査。3人の協議後「とりあえずOK」。スチュワードからは馬の引き方が悪いとアドバイスを受けた。何とかスタートできそうだ。 ところが、当日の朝、馬の身体を温めるために早めに馬を出したところで、また獣医に「どうしたんだ、その脚!」といわれてしまった。確かにおかしい。また不安がよぎる。長く引き馬をして歩様を整えながら、とにかく1レグだけでも楽しく走ってこようと、気持ちを切り替えた。 スタートは先頭集団から離れポニーのペースで走り出せた。動き出せば後肢の踏み込みも良く問題は感じない。普段1レグは興奮して水どころではないのに、今回は落ち着いて走り、水も良く飲んだ。あとは獣医検査をいかにうまく通すかだ。 動いていれば歩様は良いのでとにかく休ませずに検査を受けること。心拍が60になった所ですぐ連れて行った。作戦成功でスルーできた。今回の獣医検査は非常にてきぱきと進み、おかげで馬をゆっくり休ませることができた。 2レグ3レグともランチの馬たちとほとんど一緒に走行できた。ポニーが先頭の時もペースは落ちなかったし、大半は佐々木さんのギィタップが先導していたので、終始良いペースが保てた。メンタル面でもやる気が持続し、ポニーは最後まで目を三角にして走り続けられた。1レグだけのつもりがゴールまでたどり着き、最後に獣医団長が「グー」と親指を立てたときには何よりほっとした。 そして考えてもいなかったベストコンディションドホース賞までいただいた。今までがんばってきてくれたポニーボーイに最高のご褒美があげられたことが何より嬉しかった。 エンデュランス馬のトレーニングに関わり同じ馬でレースに出ることで少しずつ性格や課題が見えてきた。こうして馬のことを理解した上で長距離を走ることがエンデュランスライダーとしての夢だった。このような機会を与えていただいたことに感謝しています。 遠藤乃理子
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|