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20120627
世界から
6月5日 八ケ岳大会報告――ランチから2頭出場1,3位と好調な結果

研修生小森の騎乗報告をご一読ください。落ち着いて上手に騎乗したようです。1年前とは雲泥の差の乗馬技術向上を果たし、研修の成果が十分出ていると嬉しく思います。
写真と経過の様子は、ブログにすでにアップされているのでご覧ください。


2012年5月26日 八ヶ岳春季大会レポート

 今回は天候にも恵まれました。そしてクルーも2人の方がいらしてくださったので、とても助かりました。
 前回の秋の大会では他のチームのいろんな人達に、アラビアンホースランチにはクルーはいないのかと心配されましたが、今回は関川さんだけでなく、山アさんも駆けつけてくださり、カナキャンさんのクルーをしていた田村さんも手伝ってくださり、本当に余裕を持って(というか大手を振って)大会に参加出来ました。クルーの方々あってこそです。とても感謝しています。
但し、クルーに甘えず1人でクーリングをできるようにしていきたいです。

 5月25日(金)
 当日の天気は曇り後雨。小雨がぱらつくなかの獣医検査となりました。
 どのチームよりも早くスタートゴール、クルーエリアのある馬場に出て引き馬をしました。
 バンディットの歩様は体がほぐれるまではイレギュラーに見える動きをするため、八ヶ岳大会の獣医さんにどう見られるかとても心配でした。現に、去年の秋の大会ではバンディットは前日失権となりましたので、特に慎重を極める必要がありました。
 獣医検査の前のブリーフィングで、佐々木さんが歩様検査の場所をハローがけしてくれと提案しました。そのせいか、去年の秋の大会での歩きにくい固い感じはいくらかなくなりました。

 結局、中島獣医師団長より、歩様にイレギュラーが時々みられると指摘を受けました。継続的ではないので、とりあえず出走は許されました。
 ただし、異常があれば、ただちに棄権をするようにと忠告を受けました。
 前日ですが、左前の爪が少し欠けてしまい、北原装蹄師が装蹄し直してくださいましたが、獣医検査では欠けているのが原因ではないかとも言われました。
 歩様はBが付きましたが、他は全部Aでした。
  

  運動は、馬場ではまだ獣医検査が終わっていなかったので、すぐに外に出ました。
  バンディットの歩様には異常はなく、落ち着いていました。まきばの遊歩道では草むらに潜む20頭前後の鹿の群れを見ましたが、馬の方は気づいておらず、刺激しないようにゆっくりと引き返したので、大事には至りませんでした。

  隣同士が見えない馬房でしたので、アズは慣れるまではしばらく鳴き通しでしたが、バンディットは時々それに応えるくらいで、後は落ち着いていました。食欲もあり、大あくび連発で余裕でした。


 5月26日(土)

  その日の天気は晴れでした。春の大会では何年ぶりかの晴れのようです。朝は肌寒く、馬のコンディションにはちょうどよい感じでした。
  最初の関門はスタート時の大興奮尻っぱねと考えていました。念のため赤いリボンをバンディットの尻尾に付けました。経験した事がなかったので、そうなった場合、対応出来るか不安でした。
 実際は出走は6頭になったので、スタートでごちゃごちゃせず、ゆっくりアズと2頭でスタート出来ました。第一関門突破です。
 第二関門は、前に馬がいると行きたがってバタバタする事です。これは一度トレーニングで経験している事なので、なんとか対処の方法を考えて来ていました。佐々木さんの作戦通り、上りはバンディットが先頭で、くだりはアズが先頭になりました。
 不思議と興奮はせず、淡々と走行出来ました。それがなんと、最終レグまで続くとは!
 途中のクルーポイントではバンディットはよく水を飲みました。手桶で足を冷やし、充分休ませてから走行しました。
 第二防火帯は上りは騎乗常歩で、くだりは降りて引きました。
 獣医検査では歩様も含めてオールAでした。背腰の痛みも無しでした。心拍は52。
 1レグ終了は8時20分。走行時間は2時間26分09秒。平均時速は12.3キロ。


 2レグスタートではスタートして初めての物見で落ちそうになりましたが、それ以外では順調でした。気温が高くなり、ゴルフ場脇などの日陰がないところでは少し暑さを感じました。
 バンディットは相変わらずの快足ぶりを見せていました。水もよく飲み、草も食べました。
 第三関門としては、背腰の疲労でした。なるべく背中に負担のかけない乗り方を心がけました。
 2レグでは少しペースを上げ、駈歩も入れましたが、クルーポイントで長く休憩を取ったのと、折り返しからバンディットが先頭になると前に出にくくなったためか、1レグよりも平均時速が落ちました。
 1レグと同じコースなので、さほど問題もなく下馬してゴールラインを通過しました。
 獣医検査では皮膚つまみでBを取られました。脱水が始まっているので気をつけてくださいと言われました。他はAでしたが、CRIで48だった心拍が60に上がったのにはびっくりしました。
 2レグ終了時間は11時36分。走行時間は2時間36分09秒。平均時速は11.5キロでした。
 強制休止の時は気温が上がり、日向だったためか、ブログの写真にもあるようにアズ、バンディット共にボーっとしている事がありました。


 3レグスタート前、15分前から馬装し、ウォーミングアップをしているアズと佐々木さんを不思議に思っていました。が、時間になったとたんに判明しました。
 「スタートしてください」という声と同時にアズと佐々木さんの姿が消えました。正確に言えば、スタートラインから猛ダッシュをかまし、風と共に去って行ったのです。一言「どこまでフォーモサに追いつくか・・・」と言い残し。
 会場がどよめきました。というのも、現在1位のフォーモサはすでに20分程前に3レグのスタートをしていたからです。あと20キロの距離で差を縮められる事が出来るのか、会場はわき立ちました。
 予想外の事に一瞬呆然と見送るバンディットと私。しかし、スタート時刻は過ぎているので慌ててスタートしました。バンディットもアズがダッシュしたにもかかわらず、追いかけようともせずに突っ立ってました。
 勝負をかけているアズに追いつく事はとても出来ないと考えた私は、1レグ2レグとさほど変わらないペースを保ち、かと言ってなるべくアズとタイムがかけ離れないようにしました。
 何度か駈歩を入れましたが、バンディットもどんなに直しても右手前の駈歩しか出ませんでした。これは疲れのせいだと感じ、あまり無理のないようにしました。せっかく単独走行になったのだから、この状況を楽しむべきだと考え、気負わずに走行しました。
 バンディットも物見する気力もないらしく、おとなしく淡々と走っていました。速歩が重く感じたので、脚を入れると右手前の駈歩が出てしまう、その繰り返しでした。この右手前の駈歩をくり返したため、翌日歩様を見た時に、左後肢の疲労によるイレギュラーが認められました。
 結局、アズから20分遅れでゴール。アズはフォーモサを追い抜き(というか、譲ってもらったようですが、追いついただけでもすごい!)悠々としていました。
 引き馬を充分にしてから、佐々木さんがクルーゼッケンを着けて歩様検査をしてもらいました。疲労によるイレギュラーはあるが、ハコウまではいってないので、一応完走、という意味の事を言われました。
 心拍はCRI共に52。皮膚つまみと歩様にBが付きましたが、他はほぼAでした。
 3レグ終了時間は14時2分58秒。走行時間は1時間40分39秒。平均時速は11.9キロでした。



 バンディットは、背中の疲労がハコウにつながるという事でしたので、いかに負担をかけないで乗るかという事に気をつけました。1レグ2レグは体がほぐれてイレギュラーは現れませんが、それ以降になると疲労が心配になります。心拍の方ははあまり心配はなかったです。途中水をたくさん飲むので安心しました。 

 心配していた事が全てクリアされた事、難しいといわれていたバンディットに、私のような者が乗って上位で完走出来てしまう、アラビアンホースランチの馬のレベルの高さに改めて驚きました。このような馬に乗せていただける事に感謝と幸せを感じます。
 八ヶ岳の人達には「馬が良いから」とまだ言われていますが、私自身のライダーレベルも上がったと認めていただけるよう精進したいと思います。
 今回もまた良い経験をさせていただきました。ありがとうございました。


 1レグ30km 2時間26分15秒 平均時速12.3km。
 2レグ30km 2時間36分04秒 平均時速11.5km。
 3レグ20km 1時間40分39秒 平均時速11.9km。


 2012.5.26 アラビアンホースランチ 小森
 
  


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